岡田歯科医院

川崎市麻生区上麻生2-16-7
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新百合ヶ丘の歯科・口腔外科

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当院の診療内容 ~抗血栓薬を内服中の方へ

休薬による血栓塞栓症再発の頻度は低いが症状は重篤

抜歯時のワーファリン休薬は血栓塞栓症のリスクを増加させると言われています。米国のWahlの文献調査では、ワーファリンを中止した493例・542回の抜歯のうち、5例(約1%)で血栓塞栓症が起こり、うち4例(80%)が死亡したとのことです。
つまり抜歯時の休薬によって起こる血栓塞栓症の頻度は低いのですが、発症した場合症状が重篤になることがあるのです。
こうした点から、日本循環器学会の抗凝固・抗血小板療法ガイドラインでは「抜歯時には抗血栓薬の継続が望ましい」と明記されています。

日本の現状

ある調査で医師側にアンケートをとったところ、抜歯時に抗凝固薬(ワーファリン)を休薬、減量する医師が70%、抗血小板薬を中止する医師が86%にも上りました。
「歯科医師が出血で困ると思う」「歯科医師の指示で」という理由が多いようです。また、抗凝固薬を中止した結果、脳梗塞などを起こした例を経験した医師が10%にも上るそうです。
また歯科医師側にも、抗血栓薬を休薬もしくは減量しないと抜歯ができないという考えの方が多いことも事実です。また患者自身もよくわかっていて、「抜歯するために1週間薬止めてきたよ」なんて言う患者もいるほどです。

欧米の認識;抗血栓療法は大多数の例では中止してはならない

欧米では、抗凝固薬服用患者が歯科で抜歯などの処置を受ける時のガイドラインがあります。
それによると採血時のPT-INRという血液中のデータが2~4の治療域にあれば重篤な出血のリスクは非常に小さく、休薬により血栓症リスクが増大することから「外来の歯科外科処置を行う大多数の患者では抗凝固薬を中止してはならない」、また低用量のアスピリン(100mg/日以下)は歯科処置の為に中止すべきではないということが、ハイレベルのエビデンスとして示されています。
つまり最近の欧米では、抜歯に関して抗血栓薬は休薬してはならないというのが主流になっています。

抜歯時の注意点

日本人は白人や黒人よりも出血しやすい人種だと言われています。抗凝固薬内服中の患者の抜歯で、基準となってくるのがPT-INRの値です。
日本循環器学会推奨の治療域は1.6~3とされていますが食事などによっても値が大きく変動します。以下に抜歯時の注意点をあげておきます。


 
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