術前

術直後

術後1年

歯根端切除術とは、通常の根管治療を行っても治らない場合に、外科的に歯根の先端を切り取る治療法です。最近ではマイクロスコープを使用して、確実に汚染部分の除去、根尖の完全な閉鎖を行うことが可能になってきました。

【術式】
根尖付近の粘膜を切開・剥離し、次いで骨を削除して根尖病変に到達し、(ろう孔ができている場合は骨が一部吸収されていて、粘膜を剥離した時点で根尖病変が見える)根尖病変を鋭匙(えいひ)などで取り除き、根尖部を切断・除去します。
次に、切断面の露出した根管内をきれいに掻爬、削除し、MTAセメント等で逆根管充填を行います。

■歯根端切除術において重要な点
・直視できない部分の病変(上皮)を確実に除去すること
・根尖部を完全閉鎖すること

【適応症】
■根管治療のみでは治癒が望めない根尖病巣を有する歯
根管治療では治癒が困難な「(1)歯根肉芽腫」「(2)歯根嚢胞」、「根充剤溢出による根尖病巣」

■根管治療を確実に行うことができず、将来根尖病巣を引き起こす可能性のある歯
「根尖弯曲歯」「根管狭小歯」「側枝」「根尖部の穿孔」「根管充填材の根管外溢出」「リーマ破折」「継続歯」「除去不能なポスト」「歯根吸収の著名な症例」

■顎嚢胞または良性腫瘍の摘出時に根尖が露出し、これを損傷させざるを得ない場合
*歯根嚢胞摘出の際、骨を除去し病巣を摘出する時に根尖を残したままでは嚢胞を掻き出そうとしても直視できない裏側の病変部はどうしてもほんの少し残ってしまう。取るべき上皮を残してしまうと再び嚢胞を作ってしまう。