親知らずとは、前から数えて 8 番目の歯である「第三大臼歯」のことです。親知らずは生えてくる場合と生えてこない場合(もともと欠損している)があるのですが、抜歯したほうが良いケースが多いです。ただし、絶対に抜かなくてはいけないというのではなく、場合によっては残しておいた方が良い場合もあります。
親知らずを抜く理由
親知らずの萌出状態によってはきちんと歯磨きをすることが困難な場合があり、そのような場合には将来的に虫歯や歯周病になってしまう可能性が非常に高くなります。さらに、その場合には手前の第二大臼歯(12才臼歯)も影響を受けてしまいますので、そのような場合は抜歯します。また親知らずが骨の中に完全に埋まっている場合でも、嚢胞化している場合には親知らずを含めて抜歯しなくてはなりません。
また、親知らずの萌出方向によって歯並びが悪くなってしまうこともあり、それを防ぐために親知らずを抜歯してしまうこともあります。特に歯科矯正治療を行う際には、ほとんどの症例で親知らずを矯正治療終了前に抜歯しておきます。
親知らずを抜いたほうが良い場合
- 正常方向に生えてきているが、歯磨きが上手に出来ない場合。
- 歯肉がおおいかぶさっていて、歯の一部だけが見えていて場合。
- 横向きに生えてきている場合。
- 骨の中に完全に埋まっているが、レントゲン上問題がある場合。
- 歯並びを悪くする恐れがある場合。
親知らずを抜かなくても良い場合
- 正常方向に生えてきていて、歯磨きも特に問題なくできる場合。
- 骨の中に完全に埋まっていて、レントゲン上問題が無い場合。
- その他、特に悪影響を及ぼすことがないと判断された場合。
また充分清掃性が良い場合は親知らずを残しておくと、将来手前の第二大臼歯を抜歯しなければならなくなった場合にブリッジの支台や、義歯の鉤歯として使ったり、他の欠損部位に移植歯として使える可能性があります。